カルカソンヌは、小高い丘の上に二重の城壁に囲まれた城塞都市(世界遺産)があることで有名です。また、地味ですが、駅前を通っているミディ運河も世界遺産であり、2つの世界遺産を同時に廻れる町です。
ただ、カルカソンヌはフランス南部のスペイン国境近く、マルセイユとボルドーの間あたりにあり、旅行に組み込むのはなかなか大変です。私は10年近く、何度もカルカソンヌに旅行に行こうと計画したものの、実現できずに延び延びになってしまいました。勢いがないと行きにくい場所ではあるので、訪れる機会があれば是非そのときに訪問することをお勧めします。
カルカソンヌへの交通アクセスは、お世辞にも良いとは言えません。最寄りのカルカソンヌ空港には格安航空会社のライアンエアしか就航していませんし、鉄道も時間帯によっては間隔が大きく開きます(日中は2時間おきですが、夕方は本数が増えるようです)。さらに、ボルドーやマルセイユといった他の観光地に絡めて周遊しようと思っても、相当時間がかかる上に、さらに便数が限られます。プランを作成する際は交通アクセスを十分検討する必要があります。
<鉄道>
トゥールーズから約1時間。特に日中は便が少ないので要注意。
<飛行機>
カルカソンヌ空港:
観光で使える路線という観点からは、事実上ライアンエア(格安航空会社)のみ発着。ライアンエアの就航地は変動が激しいので、ライアンエアのwebサイトで要確認。
トゥールーズ空港:
トゥールーズMatabieu駅までバスで移動(所要約30分)し、鉄道で移動(所要約1時間)。
<カルカソンヌ市内>
駅舎を出たところにタクシー乗り場はないので注意。駅前通りを運河を渡って右手側の広場前にタクシー乗り場があります。シテ内のホテルに泊まる場合などは距離があるので、タクシー利用が良いでしょう。
シテ(城塞都市)の楽しみ方は2つ。1つは内部を歩いて楽しむ、もう1つは外から見て楽しむ。それぞれに違った楽しみがあります。
<内部を歩いて楽しむ>
丘の上にあるシテ内部は、狭い城壁の中に、土産物店やレストランがひしめきあっています。よく言えば活気があり、悪く言えばとても観光地化しているという感じです。
二重の城壁の内側からは、城壁の外側を眺めることはほとんどできません。例外はコンタル城(要入場料)で、城の見学に加えて内側の城壁の上から景色を見ることができます。一方、外側の城壁と内側の城壁の間は開放空間になっていて、城壁に沿って歩くことができます。この緩衝地帯のような狭間には建物が何もなく、城壁に挟まれた中世の雰囲気をそのまま感じることができます。またここからは、場所にもよりますが外を眺めることができます。
<外から見て楽しむ>
観光ガイドなどでカルカソンヌが紹介されている写真は、ほぼ全て外からの写真です。どこから見ても絵になるシテですが、よく見かけるのは新橋(Pont Neuf)から、旧橋(Pont Vieux)を前景にしてシテの丘を撮った写真だと思います。
また、日没後にライトアップされたシテも綺麗です。派手なイルミネーションがあるわけではありませんが、それがかえって世界遺産の存在感を引き立てるかのようです。新橋の欄干の上にカメラを置けば、コンパクトカメラの夜景モードでもそれなりに綺麗な写真が撮れます(↓)。ただし、新橋のあたりは、夜間の人通りがあまりないので、貴重品は持たないようにするなど治安には注意しましょう。
シテ(城塞都市)の影に隠れがちですが、ミディ運河も世界遺産です。両岸に植えられたプラタナスの木漏れ日の中を運河が通っているという、なかなか雰囲気のよいところです(ただ、少し駅前から離れると街灯もなくなるので、日没後は運河周辺をうろうろしない方がよいでしょう)。
駅前の船着き場からはクルーズが出ています。
また、ミディ運河の右岸は運河に沿って遊歩道(?)があり、ここを歩くだけでも運河の雰囲気を感じることができます。ただし、ここは時々自転車に乗った人が通るので、ぶつからないように若干の注意が必要です。
カルカソンヌのプラン作成のポイントは、どうやってカルカソンヌに来るか、そしてどうやってカルカソンヌから出るか、これに尽きます。飛行機でも鉄道でもよいのですが、ふらっと訪れることは難しいので、時刻表を確認して計画を立てて訪れるのがよいと思います。
また、シテの夜景は綺麗なので、せっかくカルカソンヌまで来るなら、宿泊して夜景を見るのもお勧めです。