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ドーバー海峡航路

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このページのもくじ

  1. はじめに
  2. ドーバー港のアクセス
  3. ドーバー→カレー
  4. カレー港のアクセス
  5. カレー→ドーバー
  6. 船内の様子
  7. プラン作成のポイント
 

はじめに

 ユーロトンネルができるまでは、英仏間を移動するには飛行機に乗るか船に乗るかしかありませんでした。今は、ユーロスターがあるので、わざわざドーバー海峡を渡ろうという人は少ないかもしれません。

 しかし、今でも車で英仏間を移動しようと思うと、ドーバ海峡航路が一番便利なため、この航路はそれなりに人気があり、結構な本数のフェリーが運航されています。また、イギリスとパリやブリュッセルを結ぶバスは、多くの場合この航路を経由します。というわけで、現地では現役の交通手段です。

 日本からの旅行に組み込む機会は少ないかもしれませんが、ドーバー海峡を船で渡るのは、それ自体が観光というところもあります。船から見えるドーバークリフは綺麗ですし、それなりに旅情もあります。機会があれば挑戦してみるのもよいのではないかと思います。

 なお、以下の記載は全てP&Oフェリー(イギリスの会社)の、ドーバー・カレー航路に関するものです。ドーバー港からは他の会社・路線も出ていますが、それらはカバーしていませんのでご注意ください。

ドーバー港のアクセス

<ドーバー・プライオリー駅までの鉄道>
 ロンドン・チャリングクロス(Charing Cross)駅から1時間50分
 ロンドン・セントパンクラス(St. Pancras)駅から1時間10分(高速線経由)

<ドーバー・プライオリー駅からのバス>
 ドーバー・プライオリー駅〜フェリーターミナルまでは、20分に1本シャトルバスが出ています。

ドーバー → カレー

<乗船>
 自動車で乗船する場合は、普通のフェリーと同じように、チェックインをして指定されたレーンに行きます。これは普通です。
 徒歩での乗船の場合は、少し他とは違います。ドーバーの旅客ターミナルからは、直接フェリーに乗れるわけではありません。カウンターでチェックインを済ませると、フェリーの出発45分前くらいにターミナルから出るバスに乗るよう指示されます。チケットカウンター近くで待っていると、バスに乗るようアナウンスがあり、乗り場まではバスで移動します。
 ということは、バスに乗り遅れたらフェリーにも乗れないということです。バスの案内には十分注意しましょう。

<入国審査>
 ドーバー→カレー航路では、フランスに入国することになります。この入国審査は、乗船前にある、高速道路の料金所のようなところで行います。徒歩で乗船する場合もバスで船まで移動するので、車で乗船する場合と同じゲートです。
 自家用車の場合はよく分からないのですが、バスの場合はフランスの審査官が乗り込んで来て、1人1人パスポートを確認していきます。バスには非EU市民を含む様々な国籍の人が乗っていましたが、特に質問をすることもなく、機械的にパスポートをチェックしてスタンプを押していきました。

 

カレー港のアクセス

 カレー港は、公共交通機関のアクセスが非常に悪く、カレー駅との間を結ぶバスの本数が非常に限られています。しかも、フェリーに接続して運行しているという感じでもありません。市内までは歩けない距離ではありませんが、大きな荷物があると厳しい感じです。徒歩で訪れる場合は、タクシーの利用も検討した方がよいでしょう。

カレー → ドーバー

<出入国審査>
 カレー→ドーバー航路では、イギリスに入国することになります。この際、フランスの出国審査とイギリスの入国審査があり、この2つの審査は、乗船前に、カレー港で行います。徒歩で乗船する場合は、ターミナルビルの中に空港のようなセキュリティ・チェック、フランスの出国審査、イギリスの入国審査がまとまっている部屋があり、そこで審査を受けることになります。自動車や国際バスの場合にどうなるのかは、経験したことがないので不明です。
 セキュリティ・チェックは一般的な欧州の空港と比較するとかなり緩く、液体の規制はありませんし、ノートパソコンを鞄から出すように言われることもありません。ベルトや眼鏡は外さずにゲートを通ってよいということで、実際にゲートを通ってみたところ、引っかかりませんでした。日本の国内線の空港と同等かそれより低いレベルの感度になっているようです。
 乗船客は分散してターミナルにやってくるので、特に行列ができるわけでもなく、審査自体は非常にスムーズです。

<乗船>
 自動車で乗船する場合は、普通のフェリーと同じように、チェックインをして指定されたレーンに行きます。
 徒歩で乗船する場合は、出入国審査後の待合室から、バスで船の近くまで行きます。問題は、この待合室がそれほど広くなく、しかも自販機ぐらいしかないことで、あまりに早く出入国審査を終わらせてしまうと、何もすることがなくて困ってしまいます。チケットには乗船45分前にチェックインするようにという指示があるので、そのぐらいの時刻を目処にするとよいと思います。

船内の様子

 線内はかなり広く、日本のフェリーのイメージと比較するとかなり豪華です。それなりに充実した免税店もあり、バーやフードコートもありで、90分の船旅を楽しむには十分だと思います。

プラン作成のポイント

 現地では、ドーバー海峡航路は自動車で海峡を渡る手段として使われています。しかし、日本からの旅行でこういう使い方をすることは、そうはないと思います。日本からの旅行にドーバー海峡航路を組み込むとしたら、それは、「わざわざ海峡を船で渡ることを目的にした旅」か、そうでなければ長期旅行で出費を抑えたい場合にドーバー海峡航路を経由するバスに乗るかのどちらかでしょう。

 今は、出費を抑えるだけなら格安航空会社という選択肢もあり、ドーバー海峡航路は積極的な選択肢にはなりにくいかもしれません。ただ、この航路は短いながらもやはり国際航路の雰囲気がありますし、昔の旅行者と同じく船で海を越えるということ自体にも、それなりの醍醐味はあります。うまくプランに組み込める国際バスがある場合や、港へのアクセス手段がうまく繋がる時間帯などには、ドーバー海峡航路を使って少し変わった旅をしてみるのも悪くないかもしれません。
 
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初版作成:2012年05月 
最終更新:2017年07月