イギリス・オランダ航路は、イギリスの東海岸にあるハーウィッチ港と、オランダのロッテルダム郊外にあるホーク・ファン・ホランドとを結ぶ国際航路です。日本では一般にあまり知られていない航路ですが、毎日昼便と夜便が各1往復していて、特に夜便は寝ている間に両国の間を移動できるので、上手に使うと旅行プランがぐっと広がる、そんな路線です。
ホーク・ファン・ホランド港は、ロッテルダム中央駅から各駅停車で30分ほどの距離にあり、駅の横がフェリーターミナルです。列車は30分に1本程度走っているので、アクセスは悪くありません。
ホーク・ファン・ホランドに朝到着する便でも、この路線はそれほど混雑しませんし、ロッテルダムからハーグやアムステルダム方面の列車に乗り換える場合もラッシュでひどく混雑するという感じではありません。イギリスに朝到着する便とは違って、スーツケースなどの荷物があってもそれほど問題ないと思います。
ロッテルダムからフェリーターミナルに向かう場合、Hoek van Holland Strand行きの列車に乗り、終点の1つ手前のHoek van Holland Havenで降りると、駅のすぐ横がフェリーターミナルです。
この航路の船は、とても大きいです。フェリーなので豪華客船という感じではないのですが、空間的にはかなり快適です。船内の買い物はユーロとポンドが使えますが、ユーロの方が少しだけレートが良かったです。
キャビン(船内の個室)は、スタンダードの部屋でもシャワー付きで跳ね上げ式の2段ベッドとソファーがついています。ベッドで寝られるので快適です。
パブリックスペースにはレストラン、パブ、免税店、インターネットコーナーなどがあり、広い空間でくつろげます。写真は、パブやレストランの区画です。
この航路のメリットは、特に夜行便を使うと、寝ている間に移動できる上に、1泊分の宿泊を浮かせることができることです。オランダ・イギリス間は、タリス+ユーロスターでも4時間程度かかりますし、飛行機でも空港への移動や入国審査で意外に時間を食われることを考えると、寝ている間に移動できるというのはかなりメリットが大きいです。
実際私は、この航路を使って、夜行便でイギリスからオランダに渡り、1日オランダで活動して、その日の夜行便でイギリスに戻るという0泊3日(船中泊2日)という移動をしたことがあります。港から都心まではやや距離があるものの、船の到着時刻が朝早いので、現地では割とちょうど良い時刻に着くことができました。
イギリスに朝到着する便は、接続する列車が途中から通勤ラッシュになるので、この方向で大きな荷物を持って利用するのは厳しいかもしれませんが、そうした点に問題がなければそれなりに使いでのある航路だと思います。