このページの情報は、自力で(代理店を通さずに)チケットを買って電車に乗ることを想定して書いています。ですので、パックツアーで乗車券の手配が必要ない場合や、代理店(カードのコンシェルジュデスクを含む)に依頼してチケットを確保する場合については、少なくともチケットの買い方の情報は役立ちません。
また、基本的に予約した電車にきちんと乗ることを前提にしているので、旅程を変更するとか、チケットをキャンセルして払い戻すといった事項については扱っていません(そのような経験がなく、書きようがないためです)。
そんな限られた情報ですが、何かの参考になれば幸いです。
フランス国鉄(SNCF)のウェブサイトのフランス語版を操作すると、voyages-sncf.com(フランス語)に飛ばされ、そこで購入できます。注意点として、SNCFのサイト自体には英語版やドイツ語版もあるのですが、英語版で操作するとRailEurope又はTGV-Europeのサイトに飛ばされて、そちらで購入することになります。
別にどっちでも良いのですが、私は昔からvoyages-sncf.comで購入しているので、以下の情報は全てvoyages-sncf.comのサイトのものです。他のサイトは若干勝手が違うかもしれませんが、基本的には飛行機のオンライン予約と大して変わらないので、何とかなると思います(私も1度タリスを予約するときにRailEuropeを使いましたが、何の印象も残っていないので、多分違和感なく使えたんだろうと思います)。逆に、何とかなりそうにないと思ったら、トラブル回避のため、オンライン予約はやめておいた方が無難です。
voyages-sncf.comはフランス語ですが、googleツールバーの翻訳機能を使えば、機械翻訳ながらそれなりに意味は分かります。私は辞書を引きつつgoogle翻訳を併用して利用しています。これで分からなかったら、voyages-sncf.comは諦めて、RailEuropeのサイトを使うなどした方がよいかもしれません。基本的には、乗車日、片道か往復かの選択、往復の場合は復路の乗車日、出発駅、到着駅、人数を入力して検索すると、結果が出てきます。
画面の指示に従って情報を入力していくと、チケットの受け取り方を選択する場面があります。基本的には「現地で受け取る」「郵便で受け取る」「自宅でセルフ印刷する」の3択なのですが、私が使ったときは、googleのツールバーが「郵便で受け取る」を「電子メールで受け取る」と訳してくれました。文脈次第ではありますが、機械翻訳はこの辺が注意です。なお、郵便受取りはフランス国内の住所にしか送ってくれず、この項目を選ぶとフランスの配送先住所を入力するように求められます。
セルフ印刷の場合は、決済後にPDFファイルが送られてくるので、自宅のプリンタでA4の紙に印刷します。あとは、これを持って駅に行くだけです(後述の刻印は不要です)。
現地で受け取る場合は、自動販売機でも窓口でも受け取れますが、リファレンスナンバー(決済後の画面に表示されます。この画面は必ず印刷しておきましょう)と、決済に使用したクレジットカード(自動販売機で受け取る場合は、ICチップ付きのもののみ可)、クレジットカードの暗証番号が必要です。
自動販売機で受け取る場合、駅にある黄色のタッチパネル式自動販売機に行きます(青や緑の機械は不可)。この自動販売機は英語も選べるので、後は画面の指示に従って操作するだけです。流れとしては、リファレンスナンバーを入力した後、決済に使ったクレジットカードをカードリーダーに差し込むよう求められ、さらに暗証番号を入力します。文章で説明すると面倒ですが、自動販売機の画面の指示に従って操作していけばOKです。駄目だったら窓口に行きましょう。
決済はクレジットカードで行いますが、カードによっては受付を拒否されるので、複数枚のカードを準備して駄目だったら別のカードを試しましょう。私の乏しい経験の中でも、オンラインで使えるたに自動販売機で拒絶されたカードとか、自動販売機では使えたのにオンラインでは拒絶されたカードとか、色々ありました。何でそうなるのか理由は不明です。
駅の自動販売機は何種類かあります。フランス全土で見かけるのは、黄色のタッチパネル式(写真左)、紫のタッチパネル式(写真中央)、青のダイヤル式(写真右)です。
紫のタッチパネル式は、機械にTGVと書いてあり、実際、TGVが発着する大きな駅に少数しかありません。しかも、チケットの変更や受け取りはできるようですが、新規購入のメニューは出てこないので、あまり使う機会はないと思います。普通の駅には、黄色のタッチパネル式と青のダイヤル式(色が違う地域もあるかもしれませんが、terと書いてある機械)の2種類があります。
<黄色の自動販売機>
黄色のタッチパネル式の自動販売機は、初期画面で英語を選ぶことができ、画面の指示に従って操作するだけでTGVの切符なども買うことができます。その分操作はやや複雑なところがありますが、出てくる英単語自体はさほど難しくありません。ただ、行き先によっては駅名を入力する必要があるので、発着駅のスペルを覚えておくか、書いた紙を持って行きましょう。
決済はVISA又はMasterのICチップ付きクレジットカード限定(他に、フランス国内で使われているカルトブルーというカードも使えますが、日本でそんなカードを手にする機会はありません)で、暗証番号決済です。カードによっては決済を拒否されることがあるので、予め複数枚のカードを用意しておきましょう。
黄色の自動販売機の使い方を写真付きで紹介する別ページを作りました(
→こちら)
<ダイヤル式の自動販売機>
ダイヤル式の自動販売機は、ter(在来線)切符限定です。TGVのような座席指定を伴うチケットは買えません。その代わり、(画面がフランス語であることを除けば)操作はさほど複雑ではありません。
普通は英語モードのある黄色の自動販売機を使うのがよいと思うのですが、小さな駅などでダイヤル式の自動販売機を使うしかない場面もあります。また、近距離切符は、実はダイヤル式の自動販売機の方が速く買えるので急いでいるときは便利です。なので、一応使い方は知っておいた方がよいと思います。
ただ、この機械の使い方はネットを検索してもあまり出てこないのですが、操作方法を紹介する別ページを作りました(
→こちら)。
地方の駅だと、「○○方面行きはこのホーム」と決まっていることもありますが、ホームがいくつもある主要駅では、発車20分前くらいに電光掲示板に番線(Voie)が表示されます。
どの電車が何番線から発車するかは発車20分前よりも先に分かっているはずですが、ホームの混雑防止などのためにこういう扱いになっているようです。
TGVは全席指定席なので、予約した列車に乗る必要があります。普通運賃のチケットなどは変更も効きますが、オンラインで販売される格安運賃の場合は変更できないことが大半なので、要注意です。
次に、TGVは列車によって2本の編成が連結されていることがあります。この場合、2つの編成の間は通り抜けができないので、とりあえず乗って車内を移動するということができません。TGVの到着する駅には、到着する列車の形と乗車位置を示す表示板(写真↓)があるので、これで乗車位置を確認して乗りましょう。
上の写真では、次に来るTGVは2つの編成が連結されていて、左側の方から11号車,12号車の順で18号車までが1編成になっていて、通り抜けのできない連結をまたいで今度は8号車,7号車の順で、一番右が1号車,ということが分かります。
また、写真では分かりにくいですが、列車の下には□に囲われたアルファベットが書いてあり、これがホームに表示されたアルファベットの看板とだいたい対応しています。ホームが表示されたら、これらの表示をもとに乗車する車両の近くで待つとよいでしょう。
ある地方の空港に20時くらいに到着する飛行機に乗ったときのことです。私は、この空港の最寄り駅から電車で数駅の町にホテルを予約していました。飛行機はほぼ定刻通りに空港に到着し、バスも30分に1本あったので、20時40分ころには空港の最寄り駅に到着しました。まあまあ順調です。
駅の掲示板を見ると、私が乗るべき電車は20時50分頃の発車で、これを逃すと1時間待ちでした。10分あれば自販機で切符を買って乗れるなと思い、自動販売機を探しました。1つだけあったのですが、故障中でした。時間が時間なので駅の窓口も全て閉まっていました。地方の小さな駅ですから、仕方ありません。
そうこうしているうちに、電車の発車まであと3分になりました。ここで迷っていても切符は買えそうにないですし、この駅の周りにはなにもないので、とにかく電車に乗って車掌に事情を話し、ペナルティがかかったらその時はその時だと割り切ることにして、キャリーバッグを引っ張ってホームまで走りました。ホームに登ると電車が遠くから近づいてきており、とにかくその電車に乗りました。
電車に乗ってすぐに車掌を捜すと、隣の車両にいました。電車が発車するかどうかというタイミングで「ボンソワ・マダム」だけフランス語で言って、「この駅でこの電車に乗ったが、機械が壊れていて、窓口も閉まっていて、切符が買えなかった。○○駅までの切符を売ってもらえませんか」と英語で(この内容を説明するだけのフランス語力はないので・・・)説明しました。すると、とりあえず「○○駅行きの切符を買いたい」というレベルでは伝わったらしく、手持ちの機械に色々入力して切符を売ってくれ、罰金も取られずに済みました。
地方の駅発の場合、こういうこともあるので、可能であれば前日までに切符を購入して手許に持っておいた方が暗視です。いくらオンラインで購入手続をしていても、自動販売機が壊れていて窓口も閉まっていたら、そもそも受け取りができません。やっぱり、紙の切符(セルフ印刷を含む)が手許にある安心感は大きいです。それでも駄目なら自分から車掌を捜して事情を話せば何とかなることもあるようです。実際、1日数往復という地方の路線では、車内で車掌から切符を買う地元の人を結構見かけました。