体力と相談する
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せっかく色々とプランを考えて旅行に行ったのに、現地で怪我や病気をしてしまったら、とても勿体ないことになります。だからといって過剰に怪我や病気の心配をしても仕方がないですし、中には避けられないアクシデントもあるわけですが、プランを組む段階で怪我や病気をしないためにできることもあります。
それは、決して無理なプランを立てないということです。余裕のないプランは確実に体力を奪い、さらに現地で焦って行動すると、思わぬ怪我やアクシデントを招くことがあります。そんな無茶なプランは、最初から組まない方が幸せです。
そんなプランを立てないために、どんなことを考えればよいのかを考えてみます。
無理なプランのしわ寄せは、一番体力がない人に行きます。成人のグループで旅行をする場合でも、旅行期間がそこそこ長くなると、男女の体力差が出てくることがあります。それ以上に体力差が開くのが、子供連れや高齢者連れの場合です。
大人が100%楽しもうと思ってしまうと、子供や高齢者はついて行けません。これはもう仕方のないことなので、そのような人と一緒に旅行に行く以上、無理はしないと諦めましょう。自分が楽しむための旅行は別の機会にする、ぐらいの気持ちでないと、子供や高齢者に対応したプランを組むのは厳しいです。
ただ、そういう余裕を持ったプランで旅行をすると、意外と新しい旅行の楽しみ方が見えてきたりするので、何が良いかは分からないものだと思います。
大人だけの旅行でも、朝から晩まで歩き通しのプランというのは、体力的に厳しいです。1日ぐらいなら問題ないように見えても、その疲労は確実に翌日以降に繰り越されていきます。
この問題は、要所要所で座れる時間を確保するだけで大幅に改善します。30分程度の移動時間を組み込んで電車で座る、昼ご飯の時間に1時間座ってゆっくり食事をする、適当なカフェでお茶を飲む、一般開放されている教会や礼拝堂で少し座ってみる、色々と方法はあるものです。
そして、うまいこと座れる移動を組み込んだり、地元の美味しい店での食事を計画に盛り込んだりすれば、座っている時間も無駄にはなりません。プランを組むときに、立っている時間と座っている時間のバランスを考えるようにすると、旅行はより快適になります。
この応用で、座ってできる観光をプランに組み込んでしまうという方法もあります。たとえばクルーズを予約するとか、景色の良い鉄道路線に乗って車窓を楽しむとかといったプランです。長い旅行の場合は、中間に1日、車窓を楽しむタイプの日程を入れて、むやみに歩き回らない日を作るだけで、その後の体力の持ちが変わってきます。ここまでしなくても、バスや鉄道での1時間程度の移動も、うまく組み込めば体力回復のために有効活用できる場合があります。
特に遠くに旅行に行く場合、せっかく行くのだからあれも見たい、ここも行きたい、という盛りだくさんのプランを考えがちです。でも、欲張りすぎのプランは体に負担になる上に、どこか1か所予定が狂っただけで回復がきかなくなるといった脆さをかかえがちです。
ただ、できればこれだけ回りたいけれど、実際やれるかよく分からない、ということはよくあるものです。そういうときは、1日の予定の後ろの方(午前中観光をして日中に長距離移動をするような場合は、午前中の最後の方)に、比較的優先度が低めの目的地を持ってきて、無理ならさっぱり諦める、というのがよいと思います。
私の場合、自分1人で旅行するときは、自分の体力に見合った過不足のないプランを作ります。でも、同伴者がいるときは必ずどこかに見込み違いがあるので、作ったプランの6割巡れれば合格だと思っています。このぐらい甘い目標なら大抵クリアできるので、後悔することも少なくて済みます。
国内旅行で、真夏に長時間歩き回るプランを立てる人はまずいないでしょう。
ところが海外旅行だと、なぜか季節を考えずに町歩きをしたくなることがあります。しかも、たとえばヨーロッパの夏は乾燥しているので、日本と違って真夏に町歩きをしてもさほど不快感はありません。でも、暑い中で長時間屋外にいて、おまけに直射日光にさらされていたりすると、体からは確実に水分が抜けていきます。そのまま無理を重ねると、最後は熱中症です。
夏の暑い時期にヨーロッパの観光地を歩いていると、白人の観光客は1.5リットルサイズの大きなペットボトルに入ったミネラルウオーターを持ち歩いていたりします。暑い時期に外を歩き回るタイプの旅行では、このぐらいの気持ちでちょうどよいと思います。とにかく十分な量の水を持ち歩き、屋内で座れる予定を最初から組み込んでおくといった対処が重要です。旅先で熱中症になってしまっては洒落になりません。
海外旅行などで旅行期間が1週間以上になるときは、特に旅行後半のプランを作るときに、疲れを考慮する必要があります。特に子供や高齢者は疲れがたまりやすいので、注意が必要です。
そういうときはあまり欲張らずに、思い切って午前中は寝て過ごしたり、夕方の早めの時間にホテルの部屋に戻ってのんびりした、演劇やコンサートなどの座って楽しむタイプの予定を組み込んだりするのもいいかもしれません。
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イース
初版作成:2012年05月
最終更新:2017年07月